須田一のブログ

ブログやめようかな?(笑)

今さらのように中小企業後継者問題

皆さま、こんにちは。

NHKの柴崎アナウンサーの特集記事をたまたま見つけた↓。

言いたい事はよく分かる(というか今さらという感じ)。
しかし、小生の実父(生きていれば今年84歳)世代が戦後日本のものづくりの中心的役割を担って来ました。
小生の、仕事の関係で、中小(というよりは零細)企業で後継者がいて、
これからも仕事を続ける見通しが立っている会社は正直1軒です。これが、現実です。
近年(ここ2~3年)廃業した企業は3軒、どの企業も自主廃業で倒産したところはありません。
これからの廃業予備軍を入れると10年以内には、仕事が出来上がらなくなる事態を招いてもおかしくありません。

どうして後継者が育たないのかは、至って簡単かもしれません。
理由を考えると、
① 中小企業が生業としてやっている仕事は基本的に、部品製造が主で、メーカーの意向に左右され易く、後継者にとって魅力が薄い(簡単に言って儲からない≠食っていけない)。
② バブル崩壊後、金融危機や円高(海外移転を含む)、メーカーの独創的な商品開発力の欠如等、中小企業にとってジリ貧の状態が長く続き、後継者を育成する経済的余裕がなかった事。
③ 戦後製造業を支えてきた世代は、戦中厳しく仕込まれていたので自分たちで何とか出来たが、次の世代以降は、そういった苦労も努力も少なく、高度経済成長の波に乗って今まで何とか来れた事。
④ マニュアル化された教育、実践を伴わない教育が、長く行われているため、後継者が継ぎたくても技術が維持できない(簡単に機械化出来るものではない)。第一、手先が器用ではない。創造力も少ない。
他にもあるかもしれませんが、この程度だけでも現状が見える。

最近では、大手メーカーの設計部門の能力低下で、新しい製品が出来なくなって来ています。
古い図面の焼き直しが多く、格好だけ良くした品物が目に付きます。
これは、日本の製造業全体にとって、忌々しき問題であって、
やり方次第では、これから厳しい時代を迎えるかもしれません。

資源が乏しい日本にとって、「ものづくり大国」としてこれからもやって行きたいのなら、
官民挙げて体制を作らないとならないでしょう。

では。