須田一のブログ

ブログやめようかな?(笑)

新幹線台車亀裂事故にみる製造業の衰退-追記あり-

皆さま、こんにちは。

やっと先日、昨年末に起きた重大インシデントの結論が出た。
産経新聞WEST

追記です。
NHK解説委員中村幸司氏が再発防止を中心に詳細な解説を行っています。

台車枠に軸バネ座を溶接をする際、台車枠を削り過ぎたのが主因だが、
削らなければ、溶接出来ない(接合面が平らでないと面積が増えない)、
もしくは、台車枠を削らずに溶接しても溶接個所の強度が弱いので、
平らにしたのだろう。

現場では、日常こういう事がよくあり、現場の判断で作業を行う。
ひと昔なら、現場には、親方(またはうるさい現場監督や上司)がいて、
この様に注意しなければならない製品に関しては、事細かく指示があった。
それに、ひと昔前なら、台車枠の製品精度が高く(溶接面が最初からほぼ平ら)、
削る事なく溶接できていた可能性も考えられる。

どちらにしても、製造現場で、溶接の為に削った鋼材が、
走行中に耐えられなくて亀裂が入って、今回の事故となった。

ここでも製造業の衰退が見て取れる。
① 作業する人間の製品に対する認識と意識の低下(今回の場合は、電車の命綱とも云える台車枠という箇所だと云う認識)。
② 部品の精度低下による、他の箇所にかかる負担増(今回の場合は、台車枠の接合面が平らでない)。

では、こういう事を起こさない様にしたいと会社側が思って対策を取ろうとしても、
現代では、昔ながらの親方はいないし、製品を理解している人間が現場には少ない(いないとは言いません)。
マニュアル化が出来ればと云う方もいると思うが、
手の感覚や打音とかを、マニュアルに落とし込む事は、ほぼ無理。
ビデオで映像として保存しても、実際の所、見て同じように出来る保証はない。
(楽器を扱う人が楽器に慣れるのに時間がかかるのと似ている)
それに、構造物を自分で作って壊した事もない様な若者が、
ここまでやって大丈夫?って思えるかが、意外と大切。

上記のように、なかなか難しい問題ではあるが、解決策がないとは言わない^^。

今からでも遅くないので、引退した親方なり上司をアドバイザーとして呼び、
若手を仕込む事です(「仕込む」この事が大切です、教えるではありません)。
それが出来なければ、これからも今回と同じ様な事故が起きる可能性が高いです。

日本の製造業の未来が明るくなる事を願って(小生も何時でも仕込んであげますヨ)。

では。