皆さま、こんにちは。
小雨混じりのちょっとだけ寒い東京の夜を、
Maria João Piresの軽やかに、そして豊かなピアノを聴きに
日頃行かない六本木へ^^。
現在73歳のMaria João Piresは、今年をもって演奏活動を辞めるので、
最後の日本公演をひと目観ようと訪れる人で満員であった(全公演ほぼチケットは完売だそうだ)。
広いクラシック用のホールの中心に、
ポツンとYAMAHA製グランド・ピアノが置かれていました。
(写真は終演後に撮影(ホール関係者に確認してから))
今日のプログラムは、今回の日本公演で唯一シューベルトの即興曲を演じる(これを聴きに行きました!)。
モーツァルト弾きとしても有名なMaria João Pires。
若かりし頃のピリスの、日本コロンビアでのソナタ集は今でも聴いています。
細かなテクニックなどは抜きにして(笑)、
天才(実は非常に努力家かも)Maria João Piresの才能を、全身で感じました(大袈裟??!)。
まず、自然体で演奏に臨める事の凄さ。
各曲とも演者は曲の理解を超え、共に生きているとまで言ってもいい演奏でした。
モーツァルトの明るさ、華やかさ、可憐さを届ける伝達力の強さみたいなもの、
ピリスの思いの丈を聴衆は感じ、それに感動し、多大な拍手で答える。
圧巻は、やはりシューベルトの4つの即興曲Op.142,D935です。
何度もピリスのCDで聴いているナンバーですが、
表現する人間の状態が違うとこれだけ違うのか?!って思うほど、
幸せなシューベルトを聴く事が出来ました(本人が一番嬉しかったのでは(笑))。
「ピアノで『歌う』って、こうやるのよ」って、
誰(凡人が)も手出しも出来ない領域に行き着いたお方の演奏でした。
聴衆の鳴り止まない拍手に応え演じられた曲もシューベルトでした。
唯一無二の最後の日本公演に行けた事に感謝しています。
ちょっぴり寒い夜の東京でしたが、小生の心はとても豊かでホットでした。
では。